仮眠90分の質を上げるためにキャビンに足した1つのもの
仮眠90分の質を上げるためにキャビンに足した1つのもの
午前2時、東名の上りのSA。キャビンで90分寝て、いま起きた。運転日報を書きながら、自分のキャビン装備を見回している。
仮眠90分は、長距離ドライバーにとっては命綱だ。点呼の規定で連続運転4時間ごとに30分以上の休憩を取ることになってる。実際は2回に1回はそのうちの30分を90分仮眠に切り替えて、後半の運行に備える。90分は浅い眠りから深い眠りに一度入って、また浅いところで起きるサイクルにちょうど合う、と言われてる。
ただ、これが安定しない。
90分寝て起きて、シャキッと走り出せる日と、起きて30分ぼーっとして、結局運行再開まで2時間かかる日がある。差が大きい。荷物の納品時間は決まってるから、ぼーっと30分は痛い。なんとかしたかった。
試してきたもの
ここ2年で、キャビンに足してきたものを並べる。
- アイマスク(黒・遮光率99%)
- 耳栓(フォーム・遮音25dB)
- 首枕(U字、低反発)
- アイマスク(シルク・冷感タイプ、夏用)
- ネックウォーマー(冬の朝の冷え対策)
- カーテン用クリップ(運転席カーテンの隙間を塞ぐ)
- 小型のホワイトノイズスピーカー(電池式、SAの足音を打ち消す)
全部で7点。買ったのは中古とアウトレットで合計1万5千円くらい。
このうち、いま運行に持って出てるのは3点だけ。アイマスク、耳栓、ネックウォーマーだ。首枕は2回使って外した。低反発は意外と首が痛くなる。ホワイトノイズスピーカーは半年使って、結局耳栓でいいかってなった。
眠るための道具は揃ったが
並べて気づいたのは、これ全部「眠るための道具」だ、ということ。
遮光して、遮音して、首を支えて、寒さを切る。眠りに入るための環境は2年かけて整えた。実際、入眠は早くなった。10分以内で意識が落ちる。寝つきはもう問題ない。
問題は起きたあとだ。
90分寝て、目覚ましで起きる。アイマスクを外して、耳栓を取る。エアコンの設定温度を確認して、エンジンをかけて、まずデジタコの記録を始める。ここまでは決まった手順だから動ける。動けるんだけど、頭がぼーっとしてる時間が、長いときで30分くらいある。
ぼーっとしてる間、シフトレバーに手を伸ばすのが遅い。ドリンクホルダーの缶コーヒーを開けて、半分くらい飲んだあたりで、ようやく目が起きてくる。
この30分を、どうにかしたかった。
半年前、ドラッグストアの帰り
きっかけは半年前。配送先の近くの100円ショップに、運送会社の支給品の歯ブラシを買い足しに寄った。レジ前のワゴンに、薄いウレタンのシートが置いてあった。畳んでA4くらい、厚さは2cmくらい。「腰当てクッション」と書いてあった。110円。
なんとなく1枚買った。最初は何にも考えてなかった。
帰り道のSAで仮眠を取るときに、運転席を倒して、ふと、その薄いウレタンを腰の下に挟んでみた。エアサスのシートはもともと腰のあたりに少し凹みがあって、長時間運転だと腰が落ちる。そこを2cm持ち上げると、ちょうど背骨がまっすぐになる感覚があった。
その日の90分仮眠は、起きたあとが違った。
ぼーっとする時間が、たぶん10分くらいで切れた。シフトレバーに手を伸ばすのが普通に動く。コーヒーを開ける前に、もう走り出せる感じだった。
何が効いてたか
正直、最初は偶然かと思った。
それから2週間くらい、同じウレタンを腰に挟んで仮眠を取り続けた。だいたい毎回、起きたあとの動き出しが早い。10回中8回くらいは効いてる。
理屈は後から考えた。
寝るときの首の角度と腰の角度がずれてると、寝てる間に体が無意識にずらすために緊張する。90分の浅い眠り・深い眠りのサイクルの中で、その緊張が抜けない。だから起きたあとも体が固まってる。腰を2cm持ち上げて背骨をまっすぐにすると、首も自然と5度くらい寝かせた角度になる。寝てる間に体が動かなくていい。だから起きたあとに固まらない。
これがあってるのかは、医者に聞いたわけじゃないから分からない。ただ、結果としてはそうなってる。
眠るための道具より、起きるための姿勢
2年かけて、眠るための道具は揃えた。だが、本当に効いたのは、110円のウレタン1枚だった。
これを書きながら思うのは、たぶん、90分仮眠の質は「眠りやすさ」じゃなくて「起きやすさ」で決まるってことだ。眠るのは10分でできる。問題は、起きてから動き出すまでの30分。そこを縮めるのは、寝てる間の姿勢を整えることだった。
俺の場合は腰のウレタンで合った。同じ4tに乗ってる先輩のMは、首の下に丸めたタオルを置く派だ。同期のTは、何も挟まず運転席を完全に倒して寝てるが、本人いわく「20代だからまだ大丈夫」だそうだ。33歳の俺はもう無理がきかない。腰のウレタンがないと、起きてから30分は確実に持っていかれる。
いま、キャビンに足してあるもの
最終的に、いまキャビンに常備してるのは次の通り。
- アイマスク(黒・遮光、夏冬で替えない)
- 耳栓(フォーム、5個入りで使い捨て)
- ネックウォーマー(冬限定、薄手の綿)
- 110円の薄ウレタン(腰用、予備で2枚積んでる)
合計4点。買ってないものより、捨てたもののほうが多い2年だった。
それでも、これで完成じゃないと思ってる。今年の夏に向けて、冷感タイプのウレタンを試そうかと検討中。33歳の体はまだ変わる。腰が落ち着いたら、次は肩か膝のどちらかが文句を言い始めると思う。
そのときは、また道具を入れ替える。100円ショップから始める。