新しいツールを覚える時間がない現場のために

5 か月前
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この記事は、ひとりでつくるSaaS - 裏note Advent Calendar 2025 の9日目の記事です。

https://adventar.org/calendars/12464

個人開発で「Memoreru」というプロダクトを作っています。知識を整理し、思考を育てるためのツールです。

この記事では、「新しいツールを覚える時間がない」という現場の課題について考えます。

技術的な話はQiitaのアドベントカレンダーで書いています。ご興味のある方は、そちらもご覧ください。

https://qiita.com/advent-calendar/2025/solo-dev-memoreru


「また新しいツール?」

新しいツールが導入されるとき、現場からよく聞こえてくる声があります。

「また覚えることが増えるの?」
「今のやり方で回ってるのに」
「研修の時間なんてないよ」

SIerでPM(プロジェクトマネージャー)をしていた頃、新しいツールが導入されるたびに同じような声を何度も聞きました。

ツールを提供する側としては、「使えば便利になる」と分かっている。でも、現場には「覚える時間」というコストがあります。


学習コストという見えない壁

新しいツールを導入しても、使われないことがあります。

機能が悪いわけではありません。UIがひどいわけでもありません。ただ、「覚える時間」がなかっただけです。

特に忙しい現場では、今の業務を回すだけで精一杯。新しいツールのマニュアルを読む時間も、研修に参加する時間もありません。結局、使い慣れたExcelやメールに戻ってしまう。

ツールの良し悪しよりも、「覚えやすさ」が導入の成否を決めることがあります。


「説明不要」という理想

Memoreruを設計するとき、ひとつの理想を掲げました。

「説明しなくても使える」

マニュアルを読まなくても、研修を受けなくても、触れば分かる。そういうツールを目指しています。

もちろん、完全に実現できているわけではありません。でも、この理想を常に意識しながら設計を進めています。


Excelが使われ続ける理由

なぜExcelは、いまだに多くの現場で使われているのでしょうか。

それは「知っている」からです。

新入社員でも、Excelは学校で触ったことがある。セルに文字を入力する、行を追加する、SUM関数を使う。基本的な操作は、ほとんどの人が知っています。

学習コストがほぼゼロ。これがExcelの強さのひとつです。


「見たことある」から始める

Memoreruでは、「見たことある」UIを意識しています。

テーブルはExcelのような見た目。行を追加するのも、セルを編集するのも、見慣れた操作感です。

でも、裏側はデータベース。データ型があり、リレーションが張れ、検索も高速です。

「Excelみたいに使える。でも、できることはデータベース並み」

この両立を目指しています。


学習曲線を緩やかに

新しい機能を追加するとき、「学習曲線」を意識しています。

最初は基本機能だけ。使い慣れてきたら、少しずつ高度な機能を発見できる。強制的に覚えさせるのではなく、自然に習得できる設計です。

たとえば、テーブルの基本操作はすぐに覚えられます。でも、条件付きビューやグラフ機能は、必要になったときに見つければいい。

すべてを最初から理解する必要はありません。


「使いながら覚える」を支える

マニュアルを読んでから使い始めるのではなく、使いながら覚える。

そのために、いくつかの工夫をしています。

  • コンテンツ作成時のステップ入力(一度にすべてを入力させない)
  • 使い方ガイドページの用意
  • ツールチップで操作のヒントを表示

少しずつ機能を覚えていける設計を心がけています。


現場の時間を奪わない

ツールを導入する側は、「これを使えば効率が上がる」と考えます。

でも、現場から見ると、「覚える時間」も「使いこなす時間」もコストです。そのコストが大きければ、効率化のメリットは相殺されてしまいます。

Memoreruは、現場の時間を奪わないツールでありたいと思っています。


おわりに

「新しいツールを覚える時間がない」という声は、現場の正直な気持ちです。

その気持ちを無視して「使えば便利だから」と押し付けても、定着しません。

覚えなくても使える。使いながら覚えられる。Memoreruは、そういうツールを目指しています。

開発の過程で考えたことを、引き続きこのnoteで書いていきます。

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