アルゴリズムに頼らず、自分で情報を選ぶ理由

5 か月前
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この記事は、ひとりでつくるSaaS - 裏note Advent Calendar 2025 の17日目の記事です。

https://adventar.org/calendars/12464

個人開発で「Memoreru」というプロダクトを作っています。知識を整理し、思考を育てるためのツールです。

この記事では、情報の「選び方」について考えてみます。

技術的な話はQiitaのアドベントカレンダーで書いています。ご興味のある方は、そちらもご覧ください。

https://qiita.com/advent-calendar/2025/solo-dev-memoreru


おすすめの居心地の良さ

YouTubeを開くと、「あなたへのおすすめ」が並んでいます。

一度猫の動画を見ると、猫の動画ばかり出てくる。プログラミングの解説を見ると、関連する技術動画が次々と表示される。

便利です。探す手間が省ける。興味のありそうなものを、向こうから届けてくれる。

でも、ふと気づくことがあります。

最近、自分で何かを探したことはあっただろうか、と。


アルゴリズムが作る「私」

レコメンドアルゴリズムは、過去の行動から「あなたが好きそうなもの」を推測します。

クリックしたもの、長く見たもの、いいねしたもの。それらのデータから、次に見せるものを決める。

これを続けると、どうなるでしょうか。

過去の自分が好きだったものに似たものばかりが届く。新しい分野、知らなかった視点、予想外の発見は減っていく。

アルゴリズムは「過去の私」を固定化します。

変わろうとしている自分、新しいことに興味を持ち始めた自分は、データにはまだ現れていない。だから、レコメンドには反映されない。


フィルターバブルという檻

この現象は「フィルターバブル」と呼ばれます。

自分と似た意見、自分が好むコンテンツだけが見える泡の中に閉じ込められる。泡の外にある情報は、存在しないかのように見えなくなる。

怖いのは、これが快適だということです。

反対意見に触れるストレスがない。興味のないものを見せられることがない。すべてが自分向けにカスタマイズされている。

でも、その快適さの代償として、視野が狭くなっていく。


「選ぶ」ことの価値

自分で情報を選ぶのは、正直に言って面倒です。

検索する。読む。判断する。必要ならブックマークする。アルゴリズムに任せれば、この手間がすべて省ける。

でも、この「手間」にこそ価値があるのかもしれません。

自分で選ぶとき、私たちは考えています。これは今の自分に必要か。この情報は信頼できるか。他の視点はないか。

選ぶ行為そのものが、思考を鍛えています。


偶然の出会いを取り戻す

書店をぶらぶら歩いていて、思いがけない本を手に取る。

図書館で調べものをしていたら、隣の棚に面白そうな本を見つける。

こうした偶然の発見(セレンディピティ)は、アルゴリズムが最適化した世界では起こりにくくなります。

すべてが「あなた向け」にフィルタリングされると、予想外のものが入り込む余地がない。

意図的に、アルゴリズムの外に出る時間を作ることが大切なのかもしれません。


能動と受動のバランス

アルゴリズムを完全に否定しているわけではありません。

膨大な情報の中から、関連性の高いものを見つける手助けは有用です。すべてを自力で探すのは現実的ではない。

問題は、受動的な消費だけになってしまうことです。

流れてくるものをそのまま受け取る。自分では何も選ばない。考えない。

能動的に選ぶ時間と、受動的に受け取る時間。両方があっていい。でも、能動の時間がゼロになると、思考は錆びていく気がします。


Memoreruで実現したいこと

私がMemoreruを作っているのは、「自分で選んで残す場所」が必要だと感じているからです。

アルゴリズムが届けてくれるものではなく、自分が「これは大切だ」と思ったものを残す。自分の判断で整理し、自分のペースで振り返る。

タイムラインに流されるのではなく、自分で選んだもので構成された知識の庭を育てる。

そんな場所を作りたいと思っています。


おわりに

アルゴリズムに頼らず、自分で情報を選ぶ理由を考えてみました。

  • アルゴリズムの限界: 過去の自分を固定化する
  • フィルターバブル: 快適だが視野が狭まる
  • 選ぶことの価値: 手間そのものが思考を鍛える
  • セレンディピティ: 予想外の出会いが減る
  • バランス: 能動と受動、両方が必要

便利なものを使いながらも、「自分で選ぶ」時間を意識的に持つこと。それが、情報過多の時代を生きる知恵なのかもしれません。

開発の過程で考えたことを、引き続きこのnoteで書いていきます。

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