地元の空き家問題に取り組むNPO活動レポート
地域の空き家問題に取り組むNPO法人「まちづくり○○」で2年間活動した経験をまとめます。空き家の実態、解決への取り組み、課題と成果を報告します。
地域の空き家問題の実態
○○市の現状(2023年時点)
- 総住宅数: 約12,000戸
- 空き家数: 約1,200戸(空き家率10%)
- うち長期空き家: 約300戸(5年以上)
- 管理不全空き家: 約80戸(倒壊危険あり)
主な問題
- 景観の悪化: 雑草繁茂、外壁剥落
- 防犯・防災リスク: 不審者侵入、放火リスク
- 衛生問題: 害虫・害獣の発生
- 地域活力の低下: 商店街の衰退、コミュニティ機能の喪失
NPOの活動内容
1. 空き家実態調査
実施期間: 2023年4月〜6月
調査員: ボランティア15名
調査項目:
- 所在地・建物状態
- 所有者情報(可能な範囲)
- 管理状況
- 周辺への影響
結果:
- 市内全域の空き家マップ作成
- 所有者連絡先の50%を特定
2. 所有者への働きかけ
方法:
- 郵送でのアンケート送付: 約200通
- 電話・訪問でのヒアリング: 約50件
- 無料相談会の開催: 年4回
所有者の声:
- 「相続したが遠方で管理できない」: 40%
- 「解体費用が払えない」: 30%
- 「売却したいが買い手がいない」: 20%
- 「将来戻るかもしれない」: 10%
3. マッチング事業
空き家バンク運営:
- 空き家情報の登録: 累計35件
- 利用希望者の募集・マッチング
- 成約件数: 12件(成約率34%)
成約事例:
- カフェ開業: 3件
- 移住者向け住宅: 5件
- シェアオフィス: 2件
- アーティストスタジオ: 2件
4. リノベーション支援
サポート内容:
- 補助金申請サポート
- リフォーム業者の紹介
- DIYワークショップの開催
補助金制度:
- 市の空き家リノベーション補助金: 最大100万円
- NPOによる利子補給: 最大30万円
5. コミュニティ拠点化
モデルプロジェクト:
2024年、築50年の空き家を改修し、コミュニティカフェ「つながり」をオープン。
機能:
- カフェ(週5日営業)
- 子育てサロン(週2回)
- シニアの居場所(週3回)
- ワークショップスペース
成果:
- 月間利用者: 約300名
- 雇用創出: 3名(パートタイム)
- 地域イベント開催: 月2回
活動の成果
定量的成果(2023〜2024年)
- 空き家の利活用: 12件
- 解体・撤去: 8件
- 管理開始: 15件
- 相談対応: 延べ120件
定性的成果
- 地域住民の意識向上: 空き家問題への関心が高まった
- 新しい担い手の誕生: 移住者、起業家が地域に活力をもたらした
- 行政との連携強化: 市と協定を締結し、情報共有体制を構築
- メディア露出: テレビ・新聞で5回取り上げられ、他地域からの視察も
直面した課題
1. 所有者の特定困難
- 相続未登記で所有者不明: 約20%
- 連絡先不明・音信不通: 約15%
対策:
- 法務局での登記調査
- 近隣住民からの情報収集
- 専門家(司法書士)との連携
2. 経済的負担
- 解体費用: 100〜200万円
- 固定資産税の特例解除リスク
- リフォーム費用の捻出
対策:
- 補助金の拡充を行政に提案
- クラウドファンディングの活用
- DIY可能な箇所は自力で
3. 法的・制度的ハードル
- 建築基準法の適合問題
- 接道義務の不適合
- 用途地域の制限
対策:
- 建築士との連携
- 行政への制度改善要望
- 小規模改修での対応
4. 継続的な活動資金
対策:
- 助成金・寄付金の獲得
- 会費制度の導入
- 有料事業(相談業務)の実施
印象的なエピソード
築100年の古民家再生
所有者が高齢で施設入所し、放置されていた古民家。取り壊しの危機でしたが、古民家に興味を持つ若い夫婦とマッチング。1年かけてDIYでリノベーションし、ゲストハウスとして再生しました。
今では年間300組以上が宿泊し、地域の観光拠点になっています。
商店街の空き店舗が若者の起業拠点に
シャッター街と化していた商店街の空き店舗3軒を、若手起業家3組とマッチング。カフェ、雑貨店、コワーキングスペースがオープンし、週末には人通りが戻りました。
他地域への展開可能性
成功のポイント
- 地域住民の巻き込み: 自分ごとと捉えてもらう
- 行政との連携: 補助金、制度改善
- 専門家ネットワーク: 不動産、法律、建築の専門家
- 小さな成功体験の積み重ね: モデルケースを作る
他地域からの問い合わせ
2年間で全国15自治体から視察・問い合わせがあり、ノウハウを共有しました。
今後の展望
短期目標(1〜2年)
- 空き家バンク登録: 50件
- 年間マッチング成約: 20件
- コミュニティ拠点: 3箇所
中長期目標(3〜5年)
- 空き家率を8%以下に削減
- 持続可能な運営モデルの確立
- 全国ネットワークの構築
まとめ
空き家問題は地域全体の課題であり、NPOだけでなく、行政、住民、事業者が連携して取り組むことが重要です。小さな成功事例を積み重ね、地域に活力を取り戻す活動を続けていきます。
NPO法人: まちづくり○○
活動期間: 2023年4月〜現在
会員数: 約80名
空き家バンク成約件数: 12件
タグ: @空き家問題 @地方創生 @まちづくり @NPO @社会課題
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