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この記事は、ひとりでつくるSaaS - 裏note Advent Calendar 2025 の11日目の記事です。
https://adventar.org/calendars/12464
個人開発で「Memoreru」というプロダクトを作っています。知識を整理し、思考を育てるためのツールです。
この記事では、「誰が書いたか」より「何が書いてあるか」を目立たせるUI設計について書きます。
技術的な話はQiitaのアドベントカレンダーで書いています。ご興味のある方は、そちらもご覧ください。
https://qiita.com/advent-calendar/2025/solo-dev-memoreru
SNSを眺めていると、「誰が言ったか」で情報の価値が決まっているように感じます。
フォロワー数の多いアカウントの発言は拡散され、議論を呼びます。同じ内容でも、無名のアカウントが言えばスルーされることが多い。
それ自体は自然なことかもしれません。「この人の言うことだから信頼できる」という判断は、情報過多の時代に必要なフィルタリングです。
ただ、行き過ぎると「発言者の権威」だけで議論が進むようになります。内容よりも、誰が言ったかが重視される。批判する側も、論点より発言者の人格に焦点を当てる。
そういう空気の中では、情報の中身をじっくり吟味する余裕がなくなります。
Memoreruでは、「コンテンツを主役にする」という方針で画面を設計しています。
具体的には、投稿者のアイコンやユーザー名を目立たせすぎないようにしています。一覧画面でまず目に入るのは、コンテンツのタイトルと説明文。投稿者の情報は控えめに表示されます。
これは、「誰が書いたか」よりも「何が書いてあるか」を見てほしいからです。
SNSでは、インフルエンサーの投稿と無名ユーザーの投稿が並んでいたら、どうしてもフォロワー数やアイコンに目が行きます。同じ内容でも、発信者によって受け取り方が変わってしまう。
もちろん、投稿者の情報は確認できます。ただ、最初に目に入るものではない。まずコンテンツを読んで、必要があれば誰が書いたか確認する。その順序を意識しています。
Memoreruでは、コンテンツの「いいね数」を一覧画面で目立たせていません。
SNSでは、いいね数やリツイート数が目立つ位置に表示されています。その数字を見て、「これは読む価値がある」「これは人気がない」と判断してしまうことがあります。
人気のある投稿がさらに注目を集め、そうでない投稿は埋もれていく。いわゆる「リッチ・ゲット・リッチャー」の現象です。
Memoreruは、バズを追うプラットフォームではありません。社内の知識共有や、個人の思考整理に使うツールです。いいね数で価値を測るより、自分にとって必要な情報かどうかで選んでほしい。
数字を隠すことで、「みんなが見ているから見る」という行動を減らせるのではないかと考えています。
SNSのタイムラインは、常に新しい投稿が流れてきます。通知が来て、リプライが付いて、話題がどんどん変わっていく。
それが楽しい場面もありますが、落ち着いて考えをまとめたいときには向きません。流れの速さについていくことが優先されて、じっくり読む余裕がない。
Memoreruは、図書館のような静けさを目指しています。
必要なときに、必要な情報を取りに行く。誰かが騒いでいるから気になるのではなく、自分が知りたいから読む。そういう「静かに読む」体験を大切にしたい。
自分のペースで、自分の興味に従って情報を探せる。そういう場所にしたいと考えています。
検索機能でも、同じ考え方を適用しています。
Memoreruでは、キーワード検索だけでなく、セマンティック検索(意味で検索)にも対応しています。入力した言葉に近い「意味」を持つコンテンツが見つかります。
検索結果は、「誰が書いたか」ではなく「検索クエリとの関連度」で並べたいと考えています。インフルエンサーの投稿も無名ユーザーの投稿も、関連度が高ければ上位に表示される。まずは「何が書いてあるか」で選んでほしいからです。
「誰が書いたか」が無意味だとは思っていません。信頼できる人からの情報は、確認の手間を減らしてくれます。
ただ、最初に「誰が」を見せることで、内容を読む前にバイアスがかかってしまうこともあります。
Memoreruは、まず内容を見て、必要があれば誰が書いたか確認する。そういう順序でUIを設計しています。
これが正解かどうかは分かりません。でも、「発言者ではなく、発言内容で議論できる」空間を作りたい。そう思って開発を続けています。
開発の過程で考えたことを、引き続きこのnoteで書いていきます。
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